仮想通貨トレーダーが注目するビットコイン、11万ドル突破なるか？最新動向と今後の見通し

📈 ビットコインに高まる期待感と現状

現在、ビットコイン（Bitcoin）は11万ドル（約1,210万円）目前まで価格を戻しており、暗号資産（仮想通貨）市場の関心が再び高まっています。
ブロックチェーン分析企業Santimentによると、SNS上でのビットコインに対する強気コメントの割合が、過去3週間で最高に達しているとのことです。

記事執筆時点（2025年7月9日）の価格は約108,770ドルで、直近1週間で約2.8%上昇しています。特に、X（旧Twitter）、Reddit、Telegram、BitcoinTalkなど主要なプラットフォームで、強気発言が弱気発言の約1.5倍に達しており、市場心理の改善が顕著です。

しかし、Santimentのアナリストであるブライアン・クインリヴァン（Brian Quinlivan）は、この楽観ムードが必ずしも好材料とは限らないと警鐘を鳴らします。

過去のデータを見ると、6月11日と7月7日に見られた強気コメントの急増後、いずれも価格が反落した実績があります。
例えば、7月8日には一時的に109,595ドルまで上昇しましたが、その後すぐに107,681ドルまで急落しました。

これは、感情に流された小口投資家が高値で買い向かい、短期的な天井を作ってしまう「逆張り現象」が起こりやすいからです。
クインリヴァンは「市場は群衆の期待とは逆に動く傾向がある」と指摘しています。

さらに注目すべきは、大口投資家、いわゆる「クジラ（whale）」の動きです。
10～10,000BTCを保有するアドレスの活動はここ数週間、目立った変化がなく、むしろ7日間で14,140BTCの売却が確認されています。

歴史的に、クジラが積極的に買いに動けば価格もそれに追随しやすく、逆に売りや静観が続くと市場全体が調整しやすい傾向があります。
ただし、長期的な視点では過去半年にわたりクジラや「シャーク（中規模投資家）」の積み上げが続いており、強気基調自体は維持されています。

デジタル資産取引企業XBTOのハビエル・ロドリゲス＝アラルコン氏は、今後の市場に影響を与えるマクロ要因として以下を挙げています。

特に、7月10日に予定されているFRBの議事録発表は、暗号資産市場にとって「重大な向かい風」となる可能性があります。

ビットコインの価格は心理的節目である11万ドルに近づく中、トレーダーの期待も高まっています。しかし、過剰な楽観は短期的な調整を引き起こすリスクがあります。

短期的には「小幅な調整」の可能性を意識しつつ、長期的にはクジラの積み上げトレンドや市場の成熟化が続く限り、強気の見方が優勢です。
感情に流されず、冷静なリスク管理と情報収集が重要な局面と言えるでしょう。